「この世界の片隅に」を見る

「この世界の片隅に」が良かった

評判が良いのは知っていたのですが、やはり良かった。

のんさんの演技もすばらしかった。すずという役に非常にあっていました。。

身を削られる喪失感が印象に残る映画でした。主人公は嫁ぐ時に故郷を失うことから始まり、日常として獲得したものを喪失するという状況を繰り返します。

失なったという事実は決して肯定されるものではなく、「あれを失ったからこそ今があるのだ」と美談調に語れるような軽さのものではありません。しかし、新たに獲得したものもまた、どうでも良いような軽いものではなありません。生きるという行為、戦争というイベントにより喪失と獲得を繰り返しながらすずは生きて行きます。

私達の時代は戦争こそありませんし、これほど短時間で多くを失うということはそう簡単にはありませんが、それでもやはり何かを失い、何かを獲得して生きていくのだと思います。

とても良かったのに自分にこの話を語るだけの力がないのが残念です。