有給休暇なので本を読んだ
読んだ本
人新生の「資本論」
今の経済成長は環境の犠牲あってのものである。資本主義では地球環境を維持できない。
資本主義をやめ、環境の維持を優先した経済に買えるべきである。
という話です。
SDGsが大きな話題となり、持続可能な経済に注目が浴びていますが、本書の著者によればSDGsは「やってる感」を出すためのアリバイ作りであるそうです。
著者が資本主義をやめ、成長を追うのをやめないと社会は良くならないと断じているのですが、著者の説を支持するためにはもう少し根拠となる数値や理論を調べないと支持できないと感じました。
ということでまずはSDGsが提示する目標について調査。
環境が直接関係ありそうなのは以下ですね。
- 6.安全な水とトイレを世界中に
- 7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 12.つくる責任 つかう責任
- 13.気候変動に具体的な対策を
- 14.海の豊かさを守ろう
- 15.陸の豊かさも守ろう
二酸化炭素排出量くらいしか気にしていなかったので守るべきものの多さにクラっとします。
確かにこれを資本主義を維持しつつも達成するのはかなり困難なように思えます。
レポートによると、日本の成績が悪い(赤)のは5、13、14、15、17
環境回りでは以下についてのアクションができていないことになります。
- 13.気候変動に具体的な対策を
- 14.海の豊かさを守ろう
- 15.陸の豊かさも守ろう
なるほど、経済成長を続けながら上記目標を達成するのは困難であり、努力したよというアリバイにしか使われないので、脱成長を考えよう、という著者の考えもわかります。
一個一個についてどう解決するのかを真剣に話し合う必要があるように感じました。
2020年日本のSDGs達成度は17位|日本政府の取り組みを解説
上記記事を見ると環境省では以下の政策をやっているようです。
最後の「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」が気になったので読んでみました。
SDGsって重要だよ、企業が貢献するとアピールになるよ、ということが書かれている資料で、あまり具体的な数値目標とか政府としての施策はなさそうですね。
内閣府のSDGsに関する施策は地方創生推進事務局が担当しているようで、地方活性化の文脈になっているようですし、環境面で強力なリーダーシップで仕切るような省庁は無さそうに見えます。
調べていくと目標達成は困難に見えて、著者が非成長路線に走るのもわからないくもない気がしてきます。
著者の意見はかなり極論になるので実現不可能だと思いますが、まあ議論のきっかけとして環境に目を向けるきっかけとしてこういう極端な意見があっても良いのかもしれません。
情念の経済学
始めて知りました。
読んだはいいものの、入門書だったのでもうちょっと詳しい思想も読んでみたいです。
推し、燃ゆ
女性的な感性の話が読みたい気分だったので読んでみました。
推しへの思い入れを軸にして生活している描写がリアリティがあって良かったです。
社会にうまく適合できない自分の生活の苦しさがありつつ、生活の軸に推しをおくことによってなんとか生活している少女。
推しは社会問題を起こし、芸能活動を引退してしまう。少女には事態をどうすることもできず、推しは社会生活に戻り、少女は欠落感を抱えつつも生きていく。
というような感じでしょうか。
現代あるあるな共感を得やすい部分もありつつ、新鮮な感性に振れられて面白かったです。
永世乙女の戦い方
女流棋士を題材にした漫画です。
女流棋士は一般人よりはずっと強いけど、棋士ほど強くありません。将棋界での立ち位置も解説役のアシスタントであったり、普及活動での活躍を期待されている向きが大きいです。
男性棋士より弱いとくさすのではなく、女流棋士の戦いを熱く書いているのが印象的でした。